ご奉仕ワーリィ


「おい、知っているかよ。あの噂」


わざと声を潜めなかったのは、ラハティーの評判を落としたかったからだ。


「王女に媚びて、今の地位を手に入れたらしいぜ、あいつ」


フィスト王と拮抗するラハティーに、期待の眼差しを向ける前衛部隊隊長格にも聞こえるように、兵士は言ってみせた。


「あいつの城内見回りの途中に、王女の部屋があるじゃん。夜な夜な、王女の足舐めて機嫌取りしてるみてえだぜ」


「男として、どーなんだよ、それ。プライドないわけ?いくら王女でも、成人していないただのお飾りにそんなことするかね」


「俺は無理だわー。媚びたくもねえ奴に媚びて、今の地位を築くだなんて。死ねよ、もうさ」


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