ご奉仕ワーリィ
「ああ……」
気づいた。
「片思いのままだ、私」
告白をして、ふられたらどうしようと怖がっている。
だからこんな、彼が近くにいてくれる中途半端な関係でも良いと思えるのか。良いわけなんかないのに。
怖いから、無理に気持ちを押し留めた。
『一緒にいて』と口に出すことさえ、王女の言葉は兵士(彼)にとっての命令になってしまうから言えなかった。
だったら、王女を捨てて、身一つで、本来の私のままで『一緒にいて』と言えばいいのに……私は弱虫だ。
王女を辞めるわけにはいかないと責任を抱えた立場であることを、今ふいにあげてみたけど――実際は、彼と離れたくないくせに。
彼の気持ちが分からない以上、変わるわけにはいかなかった。どっちつかずだからこそ怪我をしない安全地帯に私はいたかったけど。