ご奉仕ワーリィ


「俺は、あなたに尽くす一介の兵士ですよ」


困ったように笑い、彼は足元に落ちていたバスローブを拾って、私の肩に羽織らせた。


「釣り合いませんから、俺では」


「だっ、だったら、こんな……」


こと、と目をそらして、バスローブを掴んだ。何だかむず痒い。私だけが一方的に想い、乱れて、好きであるような気がして。


思わせ振りな態度を取らないでほしいと思えど、彼の尽くし方――“ご奉仕”というのは、彼が私を愛しているからと思えて心地よかった。


最後までやらない、恋愛疑似でも――


彼が近くにいてくれるのなら、この煩わしい肩書きにも感謝できたのに、皮肉なもので、彼と私を結ぶこの肩書きが『釣り合わない』と想いを実らせてはくれなかった。


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