ご奉仕ワーリィ


――


「馬鹿めっ、一度や二度ふられたぐらいで、私が夜這いを諦めるはずがなかろうにっ!」


誰に向けるでもなく、城のバルコニーでフィスト王は夜空に吠えていた。


体の火照りが最高潮らしく、半裸状態のフィスト王を、誰か通報しませんかねぇと、フィスト王従者は、変態仲間に思われない程度の離れた位置から、その姿を見ていた。


「おお、我が親愛なる主よ。こんな高い場所にあるバルコニーに立つだなんて、ええ、かの格言、王と煙は高いところを好むをその身でもって証明されるとは。

今、私の目にはあなた様の背中に白き翼が見えます。なんて神々しい。そのまま天に召されてはどうですか」


「愚問なり、我が親愛なる従者よ。天界に行く前に、まず、下界のオトメたちを抱かなければ私は天になど行かぬ。手始めにまず、この下にいる妻候補のオトメを夜這いするわけだが」


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