ご奉仕ワーリィ


期待満々の従者に可愛い奴めとフィスト王は言いながら、一本のロープを手にした。


「空中バク転もいいが、こんなこともあろうかと、我が国から象を亀甲縛りして吊るしても切れないロープを持ってきたのだ」


「奇遇ですね。私めも王がきっとロープを所望されると思って持ってきたのですよ。はい、こちらを」


「気のせいか、やけに細いロープなような」


「いえいえ、だからこそ耐久性に優れているのです。象どころか、こちらは地球吊っても切れないロープなのです!」


「地球とは、そんなものが我が国で開発されたのか!」


「ええ、ですがまだこれは試作段階。地球吊っても切れないのは、えんげろ係数やぴったんごらす定理を合わせて引いた、独自の方法で証明しましたが、いかんせん、我が親愛なる主よ。あなた様は、地球よりもビックな存在です。ビビックと言いたくなるあなた様のその威厳という重さに耐えきれず、事故的に切れてしまうことがあるかもしれませんが。

このロープはあなたに使われたいと言うのです!我が親愛なる主よ、どうか……!どうかどうかっ、この健気なロープの夢を叶えてやってはくれませんか!」


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