ご奉仕ワーリィ


「王の抜かりなさにしこたま驚愕ですよ、私めは」


「これぐらいは当然だ。何せ我が種は、我と同じように生き生きして際限を知らぬからなぁ。一発だけでたちどころに、オトメの中に着床してしまうことだろう」


「さすがは王。そんな内部まで自己主張が激しくあらせられるとは。光沢ある黒をまといし、かさかさ素早く動きまくるアレみたいな生命力と繁殖力なのですね!」


「カブトムシか?」


「ええ、見ただけで万人が『きゃああぁっ』と歓喜する王の分身みたいな虫ですよ。しかし、王は残念ながらに人間です。きちんと考えておられる我が親愛なる主は、馬鹿な真似をしないと私めは信じておりますよっ」


「ああ、失敗などせぬ。オトメでは爪で引っ掻いて穴を開けてしまうこともあるとは承知だ。私自らがつけて、本番といこう」


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