ご奉仕ワーリィ
「ちくしょおぉっ、王の深きお考えに、涙がちょちょぎれてしまいますよおぉ!」
ぐっと上を向いて、涙を拭き取る従者に、フィスト王はうんうんと頷き、ロープを手にした。
「ではな、我が親愛たる従者よ。覗きたくば覗いても構わぬが、自信を――」
「ああ、もう鼻水で呼吸困難にっ。ずびびびーっ、わだじめ、ぢょっと、せきをはずじまずぅぅ」
いなくなる従者を見送ったあとに、フィスト王は慣れた風に下のバルコニーに着地をした。
華麗なる着地は月しか見ていないという、神秘的な図に浸っていれば、上から従者の声がした。
「我が親愛なる主よーっ、お怪我はありませんかーっ。というかありますよねっ、ああ、心なしか右ふくらはぎ腫れているような!大変です、王!王の右足が骨折していますよ!」