いきなり王子様
私は竜也の膝の上に向かい合って座っていて、体全てが密着しているような、かなり照れくさい状況。
竜也は、私の背に腕を回して、ソファに体を預けている。
私の目の前には竜也の顔があって、恥ずかしすぎる距離感に目をそらそうとするけれど、後頭部を固定されているせいでそれすら許してもらえない。
「あ、あの、竜也……」
この状況、かなり恥ずかしいんですけど。
「慣れろよ。確かにまだ付き合い出して日は浅いし俺の奈々への気持ちの方が強いってのもわかってるけど、照れて距離作ってる時間がもったいないだろ?」
私の頬にかかる竜也の吐息に、私の鼓動は跳ねる跳ねる。
先週、私の部屋にいて、甘い竜也の言葉や態度に慣れたつもりでいたけれど、数日離れただけで元通り。
やっぱり、照れくさいし、恥ずかしい。
そんな私の気持ちなんてお構いなしに、竜也は言葉を続ける。
「平日俺は奈々と一緒にいられないんだから、週末会えたなら、会った瞬間からこうして奈々に触れていたいし優しくしたい。
奈々が俺に照れて恥ずかしがって、で、ようやく慣れた頃には月曜日、なんて無駄だろ?」
無駄……?
「これから俺と会う時には、会った瞬間からこうして触れていたいから。
覚悟して会いに来い。わかった?」
強い光が竜也の瞳に宿ったかと思った途端、ぐいっと体は抱き寄せられた。
力いっぱい抱きしめられて、首筋には竜也の唇が落とされる。
噛まれたような痛みを何度か感じて、そのたびに私は体をしならせる。
その瞬間、私の呼吸も止まるけれど、気づけば竜也の息も上がっていて。
それが何故か私の気持ちを温かくした。
「竜也も、私に会いたかったの?」
私からも竜也の首に腕を回してしがみついて、思わずそんな言葉すら口にした。
「会いたいどころじゃない。抱きたくてたまんなかった」
そして、気付けば私はソファに押し倒されて、竜也の顔の向こう側にはベージュの天井が見えた。
「悪い。風呂は後だ」
竜也は私の手に自分の手を重ね、深いキスを何度も落としながら、その熱い手で私の服を脱がせていった。