遺伝子2
蓮の花

――ジリリリリ ジリリ……

思いきり止めた目覚まし時計は、勢いよく転がり床に落ちていった。


――ガシャン


落ちた音で目をさました俺。

毎日の光景。


俺は眠い目を擦りながら、ゆっくり周りを見渡す。

何も変わって居ない部屋。

ゆっくりと布団から這い出して、自分の姿を鏡に映してみるが、やはり何も変わって居なかった。

いや、ある意味変わって居たのか。


土で汚れていたパジャマは元に戻り、血が付いた掌は寝る前の綺麗な状態になって居たのだ。


何故?


やはり、全てが夢だったのか……


そうだ、きっと悪夢だったのだ。

そう信じたかったのだろう。

少しずつ冴えてきた頭にそうインプットさせ、ご飯を食べに居間に向かった。

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