114歳の美女
 「澤田だって実際にとき姉さんを見たら、きっと納得するよ」


 寛道が口を尖がらせてしのぶに言った。
 

 「わかった。わかった。じゃ私がこの目で確かめてあげるわ」
 
 「驚いて目を回さないでね」
 
 「うわっ、楽しみ。神戸よりも断然面白くなってきたぞ。うふぃふぃふぃ」
 
 また、しのぶが口を両手で押さえて笑い出した。笑いを堪えると、しのぶが真顔で口を開いた。
 

 「早い方がいいわ。明日はどう」
 「こちらはいいけど」
 
 「じゃ、午後に寛君のお宅に伺うわ。80何歳の姉さんによろしく」

 そう言うと、笑いながらしのぶは駆け出して行った。


 「笑っていられるのは今の内だ。後で、驚いて腰を抜かすなよ」


 寛道はしのぶの後ろ姿に向って、意地悪な声を発した。





 
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