114歳の美女
次の日。
寛道はしのぶの訪れる前に、自分の部屋でとき姉さんの写真を探していた。
とき姉さんは余り写真が好きではない。
とき姉さんと寛道が一緒に撮影した写真は、数えるほどしか無かった。
アルバムの中に古い写真が一枚ある。
それは、寛道が小学校1年生頃の写真だった。並んで写っているのは、10代後半に見えるとき姉さんだった。
「ほら見ろ。やっぱりとき姉さんじゃないか。他に何と呼べと言うんだ。変なのだって。よく言うよ。しのぶの奴、何も知らないくせに」
写真に向って、寛道が呟いた。
廊下を歩く気配がする。
障子の戸を開けると、物干しに向うとき姉さんだった。
「とき姉さん、洗濯物干しか」
寛道は、とき姉さんの生活の一部始終が気になっていた。
長い永い歳月をどうくらして来たのか。
寛道は、自分の内に込み上げて来る好奇心を抑えることが出来なかった。