114歳の美女
 「この辺にお願いします」


 ときが人差し指で指示を出した。

 「小奇麗で、ええ家やね」

 しのぶが部屋の隅々を見ながら感想を述べた。



 「今日からこの家が、私の仮の住まいになるのか」



 しのぶが、つい声に出して独り言を。


 「ええっ、しのぶはん、いま何を言わはりましたか」


 しのぶの独り言を小耳に挟んだときが、自分の耳を疑った。


 「あっ、聞こえました。私とした事が。まあ、後で詳しく説明さしてもらいますから」

 「後で、詳しく説明。何やろか」


 ときが首を傾げた。
 しのぶは逃げるように、ときの視界から離れた。





 
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