114歳の美女
 ガラガラ・・・。


 智也が『花簪』の格子戸を開けた。


 「星ぼん、お帰り」


 中から、女将の優しい声がした。


 和服の良く似合う、元舞妓上がりの女将、花香。
 2年ほど前から、智也の行き付けの店だった。


 L字型のカウンターにテーブル数が2。
 アルバイトの女の子が2人。


 女将の手料理が自慢の店だった。


 「毎晩おこしやしておおきに」


 女将がお任せの料理と、焼酎の湯割を智也の前に置いた。
 最近、智也は芋焼酎の薄めの湯割を好んで飲んでいた。






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