114歳の美女
 「いつ、ここへ」


 智也が花香に質問をした。


 「ほんの、今さっき」
 「大変・・だったでしょう」

 「それは、それは、大変どした」
 「ご免なさい。迷惑を・・お掛けして」

 「今から・・帰りますので」
 「今からどすか」


 智也は立ち上がろうとした。が、よろけて、花香の胸に崩れ、思わず胸を抱き締めてしまった。


 目と目が合った。
 智也の目に、花香がときに見えた。


 「長かった」


 智也がときに見えた花香に呟いた。
 智也はいきなり花香に重なった。


 「星ぼん。いややあ・・・」


 智也のうつろな目は、ときと浴衣姿の花香を同一人物と見做していた。



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