114歳の美女
 二人がカウンター席に並んで座った。

 「お酒は」

 古田がときを見て、
「ビールでいいですか」と尋ねた。

「うちはそれにお冷も」

 ときが付け足した。


 「市役所は忙しいどすか」


 花香に聞こえるように、ときが古田に大きな声で言った。


 「まあまあですね。それより、前の方が女将です」


 先日、『花簪』に下見に来ていた古田が、ときに女将を紹介した。


 「こちら市役所の方どすか」


 古田を見ながら花香が尋ねた。


 「ええ」
 「名刺はお持ちどすか」

 花香が古田に名刺を催促した。


 「ああ、ちょっと待って下さい」


 古田が花香に名刺を手渡した。






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