114歳の美女
 (若い)

 しのぶは驚いた。と、言うより、おったまげた。


 (いや、若過ぎる)
 (私より若く見えるかも知れない)


 (明治××年生まれなのに、なぜ?)
 (なぜ?なぜ?なぜそんなに若いの)


 しのぶはときの想像以上の若さに、ただただ驚いた。


 「そんな所で棒になっておらんで、うちにお入り」


 そう言いながらときが、座布団を2枚自分の前に並べた。


 「お座りなさい」
 「ありがとう」


 寛道としのぶが座布団に座った。


 桃色の小紋に、深い水色の帯。
 紅色の半襟。そして、少しだけ白い足袋が顔を覗かせている。


 「寛ぼんが女子はん連れてくるなんて。嘘みたいどす。ちょい前までチャンバラごっこで切られ役しとったのに」


 「とき姉さん」
 「ごめん、ごめん」


 しのぶは二人の会話が耳に入らなかった。ただ、呆然とときを見詰めていた。





 
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