114歳の美女
 「あっ、うちの写真」

 そこには、5年前のときがいた。

 「本当は、ニュヨークに来ないか、と言ってみたい位なんだ。でも、そこまでは・・・」

 「ありがとう。ぼんの気持ちは良くわかりましたぇ。嬉しい」

 「ああ、良かった。何も言わずにニュヨークに転勤していたら、きっと後悔していたと思うから。袖にされても、今日は言おうと思ってた」

 ときは素直に嬉しかった。

 (若い男の純粋な気持ちを、純粋な心で受けとめて上げたい・・・)

 ときはそんな心境になっていた。

 「うち、最近大切な人を亡くして、落ち込んでいたとこどす。気分が沈んで沈んで。何か、スカッとした憂さ晴らしはありまへんか」

 ときは吉のを亡くし気分が沈んでいた。ダークな気分をピーカンの青空にしたい。その為に、ときはスカッとする憂さ晴らしがしたかった。

 「それなら、ドライブがいいですよ」

 俊介が目を輝かせてドライブを提案した。
 
 「ドライブどすか」

 「どこか行きたい所はないですか」
 「神戸なら・・・」

 ときは京都を出た事が無かった。





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