114歳の美女
 「ときは正真正銘、明治2×年生まれや。俺が高齢福祉課におる時、高齢者生存調査をしたんや。その時、ときは確か114歳。それで、調べたのが、ときと知り合ったきっかけやから」


 「それ、ほんまどすか」


 花香が1升瓶から日本酒をコップに注ぎ、それを半分位飲み干した。


 「これは、飲まずにおられますかいな」
 花香が日本酒を、ちびちび舐めながら言った。


 「俺も最近は、頭の毛が滅法少なくなってしもたわ。鏡の中の自分見てたら、腹が立つ。ときだけが、何で歳を取らんのかと。ときが若い男といちゃいちゃしていたら、もうあかん。自分を抑えられんのや」


 「それ、妬み」


 「いや、単なる妬みや無い。老いに対する嫉妬かな。あいつだけがいつまでも若い。俺なんか頭は剥げるわ、皺は出来るわ、内臓言うたらもうがたがたや。いつ死んでも可笑しく無い」


 智也が老いを愚痴った。







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