114歳の美女


 (うちの赤ちゃんが死んでしもた)


 ときがお腹をさすった。
 もうときのお腹には子はいない。


 (きっと、女の子や。可愛い、可愛い女の子やったのに)


 (染色体異常で自然淘汰。神も仏もおへんのか。うちの赤ちゃんに。むごい。惨い。惨過ぎる)


 (ごめんやで。ごめんやで。お母ちゃんが、お婆ちゃんの言い付けを守らんからどす)


 (悪いのはお母ちゃんやのに、赤ちゃんに、赤ちゃんに罰が当たってしもた)


 ときは胸がはちきれそうに辛かった。
 悔やんでも悔やんでも、悔やみきれないほどの悲しみだった。。


 (うちの罰やのに・・・)


 (赤ちゃん、こんな馬鹿なお母ちゃん・・・。嫌いやろ。嫌いか。嫌いなんか。堪忍ぇ。ごめんやで。許してな)


 ( 赤ちゃん。うちの赤ちゃん・・・)


 ときはまだ見ぬ赤ちゃんに、たまらない愛しさを感じていた。
 子を亡くして初めて、母親の遺言に背いた事の重大さを、ときは痛みを通して思い知らされた。







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