114歳の美女
 酔いが急激に回って来たのを、ときは感じていた。


 熱い。
 熱い。
 焼けるように熱い。


 「やばい!」


 「水。水。水」


 ときが必死で水を求めた。
 生憎、そばには水は無い。
 ときの顔色が蒼ざめた。



 あっ・・・その時・・・・体中に激震が。
 みるみる異変が体の隅々に。


 子を身篭って流産したせいか、以前より体の異変は、ずっと大きい。
 体の体質が変わってしまったのか。


 ときが思わず着物の袖を捲って腕を見た。
 ときは余りの驚きに仰け反った。


 「嫌やあ」


 肩から腕、指先へと、皺が津波となり押し寄せて来た。


 「あかん・・・」


 「水を飲まんと・・・」


 皺はあっという間に、腕から顔へ、腹へ、足へと、全身に広がった。
 水も滴る20代の美貌は、跡形も無く姿を消した。それに変わって、123歳の老いた肉体が、皺の中から姿を見せた。



 目にも止まらぬ、瞬間老化。
 何と言う、驚きの変貌。










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