114歳の美女


畜生。見られたか。



 (チェ!)



(水だ。水だ。水を早くよこせ)
 


 ときが心の中で呻きながら叫んだ。
 


 ゴクゴクゴクン。



 智也のコップをときは素早く摑み、水を一気に飲み干した。


 「うっうっ・・・」


 水が体内に入ると、顔に大きな変化が現れた。

 顔を醜く刻む大きな皺が上下に揺れ、なんと地肌に変動が起こった。肌が修復活動を起しているのだ。


 奇跡。


 それとも夢なのか。


 乾燥した肌が、徐々に、徐々に、元に戻って行く。まるで、砂漠に雨が降るように。


 「あああっ!」


 ときが呻き声を上げた。


 顔に潤いが蘇る。そして、皺が次から次に消えて行った。





 
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