114歳の美女
 その時、課長から頼まれた写真の事を思い出した。
 

 (写真は正直だ。ときの顔をどう映すだろうか)
 

 智也が写真に興味を抱いた。


 「村島さん、頼みがあるのですけど」
 「頼み。何どすか」

 「写真を撮らせて頂きたいのですが」
 「うちの写真を撮ってどうするのどすか」

 「いつでも好きな時に、あなたを見たいのです」

 「いややわあ。こんな顔を。やめといた方がええのに」
 「お願い!」


 智也は両手を合わせて熱心に懇願した。


 「そないに、手を合わされても・・・。しゃあないな」


 「有難う。お礼に、今度お会いする時、飛び切りうまい日本酒をお持ちしますから」

 「本気にしますぇ」
 「本気にして下さい」


 智也は、ブレザーの内ポケットからデジカメ風の携帯電話を取り出した。




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