114歳の美女
 「嬉しい。それ、前の約束どしたな」


 ときが嬉しそうな顔をした。


 「吟醸の一品です。前の約束と、今回のデートを予め予想して、とびきりうまい酒を選んできました」

 「おおきに。星田はんは口がお上手どすな」


 ときが微笑んだ。


 「今、飲まれますか」
 「いいえ、後でよばれますわ」


 ときが日本酒をマスターに預けに行った。


 (また、だめか。皺くちゃの顔を拝むのは、次の機会にするか)


 智也はときの後ろ姿を見送りながら、少し落胆していた。



 ときの希望で、祇園にデートをする事になった。
 二人は『café昔昔』を出た。





 
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