114歳の美女
 臍の緒の件が片付けば、もっと重要な事に取り掛からなければ・・・。


 吉のは嫁のしのぶに、そろそる伝える時期が来た、と感じていた。


 前の代から受け継いだ物を、後の代へ。


 これが村島家の長男の嫁に与えられた、責務であった。


 つまり、ときの母 末から、長男の嫁 松へ。

 松から長男の嫁 吉のへ。

 吉のから長男の嫁 しのぶへ。



 村島家を守る為に、代代伝えなければならない事とは、ときに関する秘義であった。


 吉のは姑 松から伝えられた日の事を思い起こしていた。


 今から30年前。吉のが40歳、松が70歳の時。


 「内密な話があるので、あての部屋まで来て欲しい」


 松が吉のに声を掛けた。

 吉のは、何を言われるのかびくびくしながら部屋を訪ねると、それは意外な話だった。





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