114歳の美女
 「お母ちゃん、死んだらあかん。うちを残して死んだらあかん」


 うるう年で12歳のときが、涙ながらに言った。


 「とき、ごめんやで。うちの心残りは・・・」


  末は、そこで声を詰まらせた。

 「お母ちゃん、お母ちゃん、お母ちゃん」

 ときが必死で布団の上から、末を揺すった。



 「とき・・・」



 末が声を絞り出すと、か細い手をときの方へ伸ばした。


 ときは母の手を急いで両手で摑んだ。


 「今から言うことを・・・よく聞く・・・やで」


 末の目から涙が零れた。






 
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