114歳の美女
 「デートの場所は、どうしてここなのですか」


 智也がときの横顔を見ながら尋ねた。


 「うちは京都の古い町並みが大好きどす。西陣の町屋も好きどすけど、ここはもっと好きどす」


 ときはお茶屋、料亭など、花街の古い町並みを見ながら、うっとりとしている。


 「この街並みを歩いていると、うちがうちに帰ったような気がします」

 「水を得た魚ですか。ときさんはこの街には、本当によく似合いますね」


 「おおきに。お世辞でも嬉しおすわ」
 「本気も本気。大木ですわ」


 「大木?」


 「本気の大きくなったもの。つまり、大真面目ですわ」


 「それって、おじんギャグどすか」


 二人は人目も気にせずに、顔を見合わせて笑った。





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