114歳の美女
 「ときさんは、舞妓さんに憧れた事は無かったのですか」


 「舞妓はんどすか」


 ときが色っぽい顔をした。


 「若い頃は憧れた事もありましたぇ」
 

 智也は若い頃、と言う言葉に引っ掛かった。


 (若い頃とは、ときにとって幾つ位の事を指しているのだろうか)


 「若い頃とは、ときさんが幾つ位の時ですか」

 
 智也が心のままに質問をした。


 「若い頃?それは・・・内緒・・・」


  ときは歳を言うのを思い止まった。
 
 (あれは、確か生後30年を過ぎた頃。うるう歳で7歳か8歳だったと思う。自分の精神構造は、自分自信よくわからない。見た目より老けていたり、歳相当だったり。見た目と精神が喧嘩をする事も、たびたび。舞妓はんの時は、その中間当たり。自分でも不思議)

 ときはその頃の思いを思い出していた。


 「なぜ、舞妓さんにならなかったですか」


 智也の言葉で、ときは我に帰った。





 
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