114歳の美女
 「ああ~。それはお母ちゃんに、舞妓はんなんかに憧れたらあかん。と、きつく叱られたからどす」
 
 ときが呟いた。


 「ときさんの家は、厳しかったんですね」
 「うちは良家どすから」


 そう言って、ときがにっと笑った。

 ときはいろんな表情を見せる。その表情、表情が、智也にはとても愛しく思われた。
 
 二人は花見小路通りの裏側の小さな通りにまで、足を伸ばした。


 行く手に、舞妓さんがぞろぞろ出現。

 90前の白粉がむらむらになった舞妓さん。

 背のひょろ高い青い目の舞妓さん。

 小学校1年生位の可愛い舞妓さん。


 智也がよく見ると、それは素人の舞妓さんだった。

 舞妓さんの人形が、傘を持って立っている。


 暖簾には、舞妓体験処『おこぼ』の文字が。

 そこは、京都観光のハイライト、舞妓体験スポットらしい。





 
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