かくれんぼ、しよ?
十数えたら探して、って言ってたから、いいんだろうな。返事を待たず、探しに行くことにした。
しかし、目隠しを外せば、辺りは相変わらず真っ暗で――隠れなくても、離れていれば見えないくらいだ。
「隠れる場所かあ……」
そう呟いて、歩き回るが、十秒のうちに行けるようなところには隠れるような場所はない。
そうなると――林の中か?風で揺れる木々に、形容しがたい恐怖を覚える。
でも、林の中にあんな小さい子が怖がらずに行くかなあ……と、迷っていた時。
ミヅキの言葉を思い出した。
『あそこ、見てくれた?』
そう言ってミヅキが指を指していた、おれが歩いてきた方向。
そういえばあっちには、倉庫のような小屋があった。
鍵は開いていたし、もし本当に倉庫だったら隠れる場所も多そうだ。
十秒で行けるとは思えないけど――どっちにしろ、ミヅキが言った場所があの小屋だとしたら気になるし、行ってみることにする。
――小屋の前。
「ミヅキ?」
なんとなく呼んだが、返事はない。隠れているのだから、当たり前だけど。
小屋の片引き戸に手をかけ、引こうとするが――
「あれ?」
戸は、ぎしりと音を立てるだけ。
手元をよく見ると、戸は南京錠で閉ざされていた。
いつの間に……誰が?
ミヅキがやったとは思えないし、近くに誰かいるのかもしれない。
しかし、今はミヅキを探すのが先だ。
いよいよ林の中を探すことにして、その場を後にしようと、振り返った時――
「お兄ちゃん、遅いよ」
「うわっ!」
すぐ近くにミヅキが立っていた。
……情けない声をあげてしまったことが恥ずかしい。