かくれんぼ、しよ?
「お兄ちゃん遅いから、今度はミヅキが探す番!いーち、にーい」
「え、遅いったって、てか、待て待て!」
「さーん、しーい」
ミヅキは、数えるのをやめる気はないようだ。
――慌てて隠れたが、すぐに見つかってしまった。
それから、ミヅキが満足するまで、場所を変えたりして何度かそれを繰り返して、おにごっこやあやとりにも付き合った。
こんな暗い中、どこだかわからない場所で、誰だか知らない少女とこんな風にしてるのは――少しおかしいのかもしれない。
けど、楽しそうなミヅキを見ているとユミと遊んでいる時を思い出して、おれも楽しかった。
「次は何して遊ぶんだ?」
そう言って、ミヅキを見たら――その表情には、再び、悲しげな色が降りていた。
「……おにいちゃん、だめだよ。気をつけなきゃ」
「え?」
会った時に言っていた話の、続きだろうか?呟くように話す、ミヅキの言葉を待った。
「……鬼には――気をつけてね」
「鬼……」
鬼、だって?噂の、あれか?
おれが問いを口に出すよりも早く、ミヅキが口を開いた。
「『一つ目の鐘が鳴ったら、家に帰りなさい。二つ目の鐘が鳴る前に――」
瞬間、楽しそうな笑顔も、悲しげな表情も、まるで嘘だったかのように――ミヅキの顔に『無』が降りた。
ぞくり、と、背筋に冷たさが走る。
「――鬼がやってきて、食べられてしまうから』」
……悪意を感じるわけじゃない。しかし、無表情のまま告げられたその言葉は、おれの恐怖心を煽った。
「――それは、本当、なのか……?」
一つ目の鐘は……この村に来る前、聞いた。
と、いうことは、もし、二つ目の鐘が鳴ったら……
ごくりと、唾を飲み込んだ。
嫌な予感が脳裏をよぎって――次の、瞬間。
――ゴーン……
一度聞いたことのある響きが、いやに重たく、鼓膜を震わせた。