かくれんぼ、しよ?
「……あーあ、鳴っちゃった……わたし、もう行くね。気をつけてね、おにいちゃん」
そう言うと、目の前にいたミヅキは――おれが一度瞬きをする間に、消えた。
「み、づき……?」
なんだ、どういうことだ。
どうして、ミヅキは消えたんだ?
脳みそが混乱する。いやな汗が滲む。
それに、さっき、聞いてしまったのは、二度目の鐘。
もしも、ミヅキの言っていたことが本当なら――
「おい、何してる」
混乱する頭に、低く、冷たい声が届いた。
身構えて声の方へ振り向いたが――そこにいたのは、白衣姿の男だった。
「人間、だよな?」
「失礼なガキだな。鬼に見えるか、このおれが」
思わず指を指して聞くと、ムッとした表情で言われてしまった。
「す、すいませ……」
どう見ても、人間だ。鬼になんて見えない。謝ろうとしたが――目に、その思いを否定するようなものを捉えてしまった。
男の顔や白衣には、飛び散ったような血が点々と付着していて、さらには手に棍棒のようなもの――それも、なんだか肉の破片のようなものがついていて、あまりに物騒な、凶器になりうるものを握っている。
「……ああ、これか。少し、手間取ってしまってな」
おれの目線に気付いたのか、男はため息混じりに言った。
……手間取るって、何に?
今の言葉で説明になったつもりなのか知らないが、危険人物じゃないと言い切るには、あまりにも、怪しいいで立ちだ。
「言いたいことがあるなら、言ったらどうだ?まあ、そんなことしてるうちに、鬼が来るかもわからんがな」
「鬼って……本当なのか?」
怪しいが、まるで鬼について知っている風に言うから、聞くだけ聞いてみる。
「……面倒だ、まとめて話す。ついて来い」