かくれんぼ、しよ?
「ユウイチ、無事だったのか!」
マコトはおれに一瞥をくれた後、男の方に視線を移した。
「カンノさん、ですよね?すみません、勝手に上がって……」
どうやら男は、ミクとマコトいわく、カンノというらしい。
「あーまあいい、とりあえず全員座れ。話をしよう」
カンノは、まるでおれたちを追い払うように、手招きとは逆に、手をひらひらと動かした。
「とりあえず、名乗っておくか。おれはカンノ。そこのがキリシマだろ。で、メガネがマコト、茶髪がユウイチだな」
おれたちは輪になるようにベッドや椅子に腰掛け、カンノは、ひとりひとり指を差して確認した。
「で、おまえらはどうやってこの村に来たんだ?」
ミクとマコトは誰から話そうか躊躇っている様子だから、おれが口を開いた。
「夕霧山で、三人で鐘の音を聞いた後、おれは崖の下にユミ……去年死んだ妹が見えて、一人で崖を下ったら注連縄が張ってあって、それをくぐったら、ここに来てた」
「……死んだ妹、か。それで、キリシマはユウイチを追って、同じように注連縄をくぐり、ここに来たと。おまえは?」
カンノは顔の前で手を組んだまま、目でマコトを指名する。
「おれもミクの後についてきました。あ、でも、注連縄をくぐる前に、その……なんか、こう――バケモノを見たけど」
「バケモノねえ。村のやつとは違うよな」
マコトは頷いた。
ゾンビ以外にも何かいるっていうのか……目まいがしそうだ。
ミヅキもなんだか不思議な子だったし、カンノも偉そうにしてるが素性が知れない。
「カンノ……さんは?いつ、どうやってここに来たんだ?」
「そうだな……いつからだろうな。時が経ちすぎて、忘れたよ。来たというか、目が覚めて気が付いたらこの有り様だ」
目が覚めたら……って、悪夢もいいところだな。カンノに同情を覚える。
「カンノさん、この村に住んでたんですよね?知ってること、教えてもらえないですか?」
「……実は、あまり目覚める前の記憶がないんだ。現在のこの村についてなら、教えてやる」
ミクとマコトと共に、カンノの口から語られる言葉に耳を傾けた。