かくれんぼ、しよ?
――朝……というには薄暗い中、目を覚ました。
どれくらい寝ていたのだろうか。携帯電話で時間を見ようとしたが、時間が表示されるべきところには初期状態のように横線が入っている。
ついでに、アンテナの表示を見ると、なんとなくそう思っていたが、圏外を示している。
これからどうするか……。
ミクとマコトは、小さい寝息を立てている。
よっぽど疲れたんだろうな。
……おれのことを追ってきてくれたんだよな。本当に、無事でよかった。
体感的には結構寝たと思うが、起こすのも悪い気がする。
一方、カンノの姿は見えない。出かけたのだろうか。
大人しくしてろと言われたが、カンノも村から出る方法がわからないのでは、自力で探すしかないと思う。大人しくなんてしていられない。
とはいっても、どうしたらいいのか……。
一人で考え込んでも、わからないものはわからない。
申し訳ないけど、二人を起こすことにした。
一人ずつ、体を揺すって声をかけた。
ミクは起き上がったがなんだか寝ぼけているし、マコトは布団の中でうずくまったまま、手探りで眼鏡を探している。
「しっかりしろ、大丈夫か?二人とも」
「あれー?なんでユウイチくんが……マコトくんも……」
「…………もう朝か…………」
「ミク、目覚ませ。マコトは大丈夫か?おまえ低血圧だろ?」
「……あー、大丈夫だよ」
大丈夫、という割にはテンションがめちゃくちゃ低く、そうは見えない。しかし、寝起きのマコトにとってはいつものことだ。
「あ、あれ!そっか!お、おはよー!」
ミクはハッキリ目が覚めたらしく、慌てて乱れた髪を整え始めた。こういうところは、やっぱ女子だなーと思う。
「カンノはいないみたいだけど、どうする?これから」
「そうだな……ここにいても仕方ない、とは思うけど……外は……」
――マコトの言いたいことはわかる。外は危険だ。ここもどうだかわからないが、カンノいわく安全らしい。
身を案じるならここにいる方が賢明なのかもしれないが、村から出られないのでは困る。
「あのー、お二人さん!」
ふいに割って入るミクを見た。
「なんだよ?」
「お腹、すかない……?」
たしかに。昨日の昼から何も食べてない。
「おれ、何か持ってるかも」
そう言ってマコトは、馬鹿でかいリュックの中身を漁り始めた。……まさか、その大荷物が役に立つとは思っていなかった。
マコトの心配性も馬鹿にしてはいけないな、と反省した。