かくれんぼ、しよ?





「えーと、鐘は、夕暮れを知らせるのに一度、日が完全に落ちたのを知らせるのに二度目が鳴ります。鐘は、このやぐらで鳴らされています――って」


『ここ』の横の矢印の先に小さく描かれた地図。


この学校周辺しか描かれていないが――やぐらを示しているであろうバツ印は、グラウンドの反対側の林の中にあるようだった。



「……鐘って、人が鳴らしてたんだろ?だったら、今は誰が鳴らしてるんだ?」


「たしかに……」


「誰かが鳴らしてるんなら、止めればいいんじゃないかな?」


それもそうだけど――そもそも、誰が、何のために鳴らしているのか。


理由次第では、おれたちの敵になる。そうしたら、危険かもしれない。


でも――



「行ってみる価値は、あるよな」


怖がっていたのでは、何もできない。


何もしないでいたら、この空間にずっといることになる。そっちの方が怖い。


「そう、だな」


マコトの言葉には躊躇いが見られるが、躊躇っている場合じゃない。



地図に記されたバツ印――鐘がならされている、やぐら。


そこを目指し、おれたちは林の中に向かうことにした。




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