かくれんぼ、しよ?





「すごいねコロちゃん!こっちにあるってわかったの?」


しっぽを振るコロは、どこか誇らしげに見える。まさに、お手柄。見た目にそぐわず、名犬の素質がありそうだ。



「鐘って、あれだよな」


マコトの視線の先には、巨大な鐘。


年末にテレビで見たことがある、立派な寺で鳴らす除夜の鐘と同じくらいに見える。


この大きさの鐘が、こんな山奥の村のために作られたなんて、何だか変な感じだ。



何はともあれ――あれが鳴る前に、止めなければならない。


誰が鳴らしているのか知らないが、それを阻止すればいいだけの話だ。



「おれがあそこに上っておくから、ミクとマコトはここで待っててくれないか?」


おれがそう言うと、二人は目を丸くしておれのことを見た。



「えっ、そんなの危ないよ!」


「いや、三人で上っても狭いし。それにもし、鳴らしに来たやつに襲われたとして、まあ、一番戦えるのはおれだろ?」


……何も、ケンカ慣れしているわけでも、体術を習っていたわけではないが。


女子のミクより力はあるし、運動に関してはマコトどころか同級生みんなより優れている自信はある。


「でも……」


言いかけたミクを、マコトが遮った。


……そう、それでいいんだ。



「じゃ、行ってくる!」


軽く手を触って、やぐらの方へ走り出した。




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