かくれんぼ、しよ?





「うそ、でしょ……」


カンノさんの、家の前。


わたしとマコトくんは、立ち尽くした。


目の前には、崩壊している、家。



「カンノさんは、出かけてたか……」


玄関の辺りを見ていたマコトくんが、言った。カンノさんの靴がなかったみたい。


コロちゃんも、くんくんと匂いを追おうとするが、わからないようで、カンノさんはとりあえずこの瓦礫の中にはいないことがわかった。



ここに来る途中、たまに瓦が落ちていたりしたけれど、ここまで崩壊している建物は目にしなかった。


……カンノさんの家は、特別古かったのかな。



「くそ、どうするか……」


当てにしていた、カンノさんに会えなかった。


それに、帰るところもなくなってしまった。


何故だか鬼はさっき現れたけど、もしカンノさんの話が本当なら――二度目の鐘が鳴った瞬間に鬼が来る。


どこかの建物にいれば大丈夫なんだろうか。


でも、その前にユウイチくんを助けに行かないと。



「カンノさんを探すか……に、してもどこにいるかわからないし……」


マコトくんも、悩んでいる様子だった。


「……じゃあ、ユウイチくんのところに戻って……それから、もう一回学校に行ってみようよ?まだ何かあるかもしれないし……」


正直、学校がどうこうより、ユウイチくんが心配だ。


鬼はわたしたちを追ってきたなら、もうやぐらの周辺からは離れているはず。


今来た道を引き返さずに、学校の方へ向かえばいい。



「……ミクが、そうしたいなら……さっきの地震で学校は壊れてなかったから、カンノさんも避難しに来てるかもしれないし」


「じゃ、そうしよ!」


私の提案通り、また学校に戻ることになった。


ここに来るまでにもゾンビは見かけたが、マコトくんの予想通り、音を立てなければこちらには気付かなかった。


なるべく静かに、身を潜め、迂回するように、ユウイチくんの元へ向かう。




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