かくれんぼ、しよ?



◇◇◇●●●、ユウイチ





暗闇の遙か遠くに、一筋の光。


光は徐々に開けていって――やがて、ある風景を目にしていた。





ここは……林の中?


夜なのだろう。辺りは暗い。


しかし、街灯が点いていて、それに照らされてやぐらが見える。



おれはそれを、木の影から見ている。


自分の意志で動くことは……できない。


他人の意識に入り込んだような感じだ。



目線がやけに低い。


子どもの視点は、こんな感じなのだろうと思う。



やぐらよりも手前に、ふたつの人影があることに気が付いた。


顔はわからないが、大人の男女に見える。


何かを話しているようだ。



しばらくの間話が続き――それは、突然。



男の方が、女を殴った。


女の抵抗も虚しく、何度か繰り返し殴る。



……目を逸らそうにも、動けない。


おれは否応なく、ただ、凄惨な光景をじっと見つめることしかできない。



そして――



男は、女に馬乗りになり、両手で女の首を掴んだ。


待て、やめろ――声にならない叫びが、虚しくおれの心で反響する。


やがて、女は力なく項垂れ、そして。





再び、おれの意識は暗転した――。




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