かくれんぼ、しよ?
◇◇◇マコト
「いない……」
林の中、やぐらの前。
おれたちは再び、立ち尽くしていた。
鬼の危険もあるし、正直、おれは来たくはなかったが――ミクがあまりにユウイチを心配するから来てみれば、もぬけの殻。
ユウイチの姿はどこにも見当たらない。
「ユウイチくん、食べられたり、してないよね……?」
ミクが、泣きそうな顔で俯いた。
「まだ、二度目の鐘は鳴ってない……大丈夫だよ」
鬼はおれたちを追ってきていたし、それに、やぐらの上に血液や体の一部なんてものは見つからない。
カンノの家から引き返してここに来るまで、どうやらミクには見えていないようだが――鬼が通ったと思われるところには点々と、グロテスクな破片のようなモノが落ちていた。
それがないってことは、多分、鬼はユウイチのところへ来ていないはずだ。
「とりあえず、学校を見てみよう。……もしかしたら、ユウイチも、カンノさんも、いるかもしれないし」
「うん……そうだよね。ごめんね、さっきから……マコトくんだって、心配だよね」
ミクは、涙が瞳から溢れる前に、それを拭いながら小さく笑った。
「……そうだな」
林を抜け、学校に向かう。
一度開けたからか、玄関の扉は引っかかることなくすんなりと開いた。
さっき来たときは、一階の廊下の中ほどで貼り紙を見つけ、手がかりを探すのをやめてしまった。
外から確認したが、校舎は、三階建て。閉鎖的な集落だったように思えるが、意外と生徒は多かったのかもしれない。
どこから探せばいいか――ミクは本当は大声でも出して、ユウイチやカンノさんを探したいんだろうけど、ゾンビがいる可能性がある以上そういうわけにもいかない。
とりあえず、職員室など手がかりがありそうな目ぼしい部屋を覗きながら、廊下を進む。