かくれんぼ、しよ?
廊下の端まで歩いてみたが、一階には、誰もいないようだった。
二階に上がると、図書室と書かれたプレートが目に止まる。
「村のこと、わかりそうだね!」
「入ってみよう」
引手に手をかけ、引いた、その時――
目と鼻の先に、おぞましいモノ。
そこには、ゾンビが、こちらを向いて、笑っていた。
「――う、わ」
出しかけた悲鳴を、なんとか抑える。ミクも、自分で口を抑えていた。
慌てて身を引き、踵を返して一階に戻ろうとするが――階段を二、三段下りたところでミクが立ち止まってしまった。
「ミク、どうし――!」
言いかけた言葉を、飲み込んだ。
立ち止まった理由を聞くまでもなく、目からの情報のみで理解できた。
階段の踊り場に、一階から複数のゾンビが迫ってきているのだ。
音は立てていないはずなのに、まるでこちらに向かってくるようだ。
「くそ、上だ!」
ミクの手を引き、二階へ戻る。
図書室にいたゾンビは、まだこっちに追いつく様子はない。図書室とは反対側へ、廊下を走り出した。
ふと、視界の隅で、教室の扉がガラリと開いた。
誰かいるのか――ミクも気付いたようで、期待に満ちた表情で、おれと同時にそっちへ振り向いた。