かくれんぼ、しよ?
しかし、すぐにミクの期待は裏切られることになる。
扉の向こうに現れたのは――
「ま、また?」
醜く、わらう、ゾンビ。
突然どうしたというのか、どこもかしこもゾンビだらけじゃないか。
「くっそ、なんだってこんなに……」
一階からは、ゾンビ。二階の、おれたちが向う反対側にも、途中の教室にも、ゾンビ。
三階に逃げたところで、袋小路で逃げ場を失うだけだ。下へ逃げるしかない。
おれたちが上がってきたのとは、反対側の階段――そこにゾンビがいなければ、下はすぐに玄関だが……もしいたら、逃げ場はない。
最後の望みをかけて、たどり着いた階段。
そこには、低くおぞましい唸り声をあげる、ゾンビの姿。
「ダメだ……」
「ま、マコトくん、どうしよう!」
ミクはおれの袖を掴み、コロは震えているように見える。
くそ、どうすればいいんだ――
考えている間にも、ゾンビはゆっくりと、おぞましい空気を連れて、おれたちとの距離を詰めている。
意を決して、階段のゾンビを蹴散らそうかと身構えた瞬間――
けたたましい轟音と共に、床が揺れ始めた。
「また、地震か!」
「わ、わ、さっきより大きいよ!」
あまりの揺れの大きさに立っていられず、しゃがみ込むが、揺れは収まるどころか強さを増すばかりだ。
ミクのことを守ろうとしたが――少し、距離が離れている。
動こうにも動けなくて、やきもきしてきた時、目の前に、天井材の一部が落ちてきた。
「うわっ!気をつけろミク!」
校舎が、崩れ始めている――!
ここにいては危険だが、逃げることもできない。
やがて、ミシミシと壁も音を立て始め――
床が、崩れた。
「ミク!」
「マコトくん!」
互いに伸ばした手は、虚しく空を掴む。
やがて、ゾンビや瓦礫と共に――落下した。