かくれんぼ、しよ?





しかし、すぐにミクの期待は裏切られることになる。



扉の向こうに現れたのは――


「ま、また?」


醜く、わらう、ゾンビ。



突然どうしたというのか、どこもかしこもゾンビだらけじゃないか。


「くっそ、なんだってこんなに……」


一階からは、ゾンビ。二階の、おれたちが向う反対側にも、途中の教室にも、ゾンビ。


三階に逃げたところで、袋小路で逃げ場を失うだけだ。下へ逃げるしかない。


おれたちが上がってきたのとは、反対側の階段――そこにゾンビがいなければ、下はすぐに玄関だが……もしいたら、逃げ場はない。



最後の望みをかけて、たどり着いた階段。


そこには、低くおぞましい唸り声をあげる、ゾンビの姿。



「ダメだ……」


「ま、マコトくん、どうしよう!」


ミクはおれの袖を掴み、コロは震えているように見える。



くそ、どうすればいいんだ――


考えている間にも、ゾンビはゆっくりと、おぞましい空気を連れて、おれたちとの距離を詰めている。



意を決して、階段のゾンビを蹴散らそうかと身構えた瞬間――



けたたましい轟音と共に、床が揺れ始めた。


「また、地震か!」


「わ、わ、さっきより大きいよ!」



あまりの揺れの大きさに立っていられず、しゃがみ込むが、揺れは収まるどころか強さを増すばかりだ。


ミクのことを守ろうとしたが――少し、距離が離れている。


動こうにも動けなくて、やきもきしてきた時、目の前に、天井材の一部が落ちてきた。


「うわっ!気をつけろミク!」



校舎が、崩れ始めている――!


ここにいては危険だが、逃げることもできない。


やがて、ミシミシと壁も音を立て始め――




床が、崩れた。




「ミク!」


「マコトくん!」



互いに伸ばした手は、虚しく空を掴む。


やがて、ゾンビや瓦礫と共に――落下した。




< 66 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop