かくれんぼ、しよ?
「う……」
少しの間、気を失っていたかもしれない。
瓦礫の中から起きあがって、ずり落ちていたメガネをかけ直した。
辺りに見えるのは、瓦礫と――それに潰された、ゾンビたち。
グロテスクさを増したゾンビの姿は見るに耐えないが――それでも、あの鬼よりはマシにさえ思える。
ミクとコロの姿は見えない。
はぐれてしまったようだ……。
どうやら、二階と三階の一部が崩れたようで、今いる一階は部屋の形は保っている。
ただ、扉や窓は歪んでいるし、瓦礫が邪魔をして通れない箇所もありそうだ。
リュックを背負い直して、立ち上がった。
「いって……」
すると、足に痛みを感じた。
ズボンの裾をめくってみると、こぶし大の青アザがあり、腫れ上がっていた。
歩くたびに痛みが走るが、ここで休んでいるわけにもいかない。
湿布を取り出そうと、リュックを漁る。
――そういえば。
カンノさんの家で目覚めたとき、あれが……失くなっていたんだった。
くそ、あれば役に立ったのに。
リュックの内ポケットから湿布を取り出し、アザに被せるように貼った。気休めにはなるだろう。
……ミクは、大丈夫だろうか?
瓦礫の隙間から隣の教室を覗くと、ゾンビが徘徊しているのが見える。
声を出して探すわけにはいかない。
足を引きずり気味に、廊下に面する割れた窓から教室を出た。
すると、そこにいたのは。
一瞬、呼吸の仕方を忘れた。
体中にいやな汗が滲む。
鬼が、大きく裂けた口元を歪ませ、笑いながらおれを見つめていた。