かくれんぼ、しよ?
廊下に出ると、埃っぽく、教室よりも暗い。
――コロちゃん、どこまで行ったんだろう。
ミクの心に、不安が募る。
マコトくんも、ユウイチくんもカンノさんも、どこにいるんだろう。
不安ばかりが浮かんでは、答えにたどり着くことなく心にもやをかける。
とぼとぼと、当てもなく歩き始めた時――
――パンッ!
乾いた音が、ミクの鼓膜を震わせた。
ミクにとっては、聞き覚えのない音。しかし、予想はつく。
その音は、続き――計、四回。
これはきっと、銃声だ。ミクは、そう確信した。
……誰が、どうして。ミクの不安は、増大していくばかり。
しかし立ち止まっているわけにも行かず、歩き続ける。
ふと、瓦礫の上に、大きめの紙が落ちているのが目に止まった。
何気なく、めくってみる。
「これ……」
子どもが、地理についての研究結果をまとめた用紙のようだった。
ざっと目を通すと、山に囲まれたこの村と、外を繋いでいる、トンネルの存在が記されている。
――もしかしたら、出られるかもしれない!
淡い期待が、胸に浮かんだ。
トンネルの場所は、学校から少し離れている、村のはずれ。
早く、みんなを見つけてここに行こう。
ミクはそう心に決め、先ほどよりも軽い足取りで歩みを進めた。
――ガサリ。
道中、不審な音が聞こえ、ミクは動きを止めた。
警戒して、周囲を見渡すと――すりガラスの反対側、隣の教室に、誰かがいる。
その誰かは、ゆっくり、ゆっくりと教室の扉の方へ向かっている。
その歩みの遅さは、ゾンビを連想させる。
どくん、どくんと、鼓動が早まるのを感じながら、ミクはゆっくりと後ずさりをする。
やがて、ゆっくりと扉が開かれた。
それを見つめる、ミクの瞳に映ったものは――
「マコトくん?」
「ミク……よかった」
どこか憔悴した様子の、マコトだった。