かくれんぼ、しよ?
口と口が触れ合いそうになり、やっとミクの脳は状況を理解し――ミクはマコトの体を押しやった。
「マコトくん、やめて!」
「……どうせ」
マコトは、ミクに馬乗りになった体勢のまま、呟いた。
「どうせ、もう――終わりなんだよ!おれたちは、ここで死ぬんだ……!」
微かな明かりの中見えるマコトの目は、虚ろで理性を失っているようだった。
――こわいよ、やめてよ。こんなのマコトくんじゃない……!
「うっ……」
ミクの言葉は、嗚咽になって消えていく。
「だからさ、最後に一度くらい、な?」
抵抗しようとしても、ミクはマコトの力にはかなわない。見事に組み敷かれてしまっていた。
マコトの手が、セーラー服のスカートの中に伸びた。
手のひらは膝から上へなぞるように動き――腿のあたりで、ぴたりと、止まった。
「……ミク、これ」
「う、うっ……なに……?」
嗚咽まじりにミクが顔を持ち上げると、マコトの目には光が戻っていて、正気を取り戻したようだった。
マコトが暗闇の中覚えた、指先の違和感。
それを目でも確かめるべく、マコトはスカートを捲りあげた。
「や、やめ……っ」
ミクの抵抗も虚しく、マコトの瞳には、違和感の正体が映る。
「なんだよ、これ――」
なめらかな肌に、無数に直線の凹凸。
目で見たそれは、無数の――傷跡だった。
「なんだ、これ?誰にやられたんだ?」
その傷跡は、中には新しいものもあるが、古傷が大半だった。
直線の傷――それは、まるで切り傷のよう。
ミクは、泣くばかりで何も言わない。
「ミク、ちゃんと教えてくれ……」
……ああ、こんなことをしてるのに、何を言っているのか。そう思いながらも、マコトはミクの傷のことを黙って見逃すわけにはいかなかった。
マコトはおもむろに、セーラー服の上着も捲り上げる。
――思わず、息を飲んだ。
ミクの腹部には――赤や青の、無数のアザ。
あまりに痛々しいそれに、目を背けそうになる。
「ミク、誰にやられたんだ!?」
マコトはミクの肩を揺さぶるが、ミクの口から漏れるのは相変わらず嗚咽だけだった。