かくれんぼ、しよ?
コロは、ある教室の中で立ち止まった。
特別崩壊が進んでいる、教室。
その転がったキャビネットと積もった瓦礫のあたりで、コロは何かの匂いを辿っているようだ。
――もしかして、ミクがここにいたのか?
コロは、おれを一瞥し、ついて来いとでも言うように小さく一度吠えると、再び歩き出した。
次に、コロが立ち止まったのは、『倉庫』と書かれた扉が倒れている部屋。
その中には、誰の姿も見つからない。
足元に目をやると、肉片のようなものが落ちている。
……カンノに初めて会ったとき、こん棒についていたものと同じだ。ここには、ミクとカンノがいたのかもしれない。
コロは匂いを辿り始めるが、進む方向を迷っているようだ。
肉片のせいで、血の匂いと混ざってわからないのだろうか。
何か手がかりはないか、おれも部屋の中を探すことにする。
――と、言っても、特に何も……
「これ……」
つい、声を漏らした。
瓦礫の中に、見つけたもの――それは、マコトの眼鏡だった。レンズが割れている。
……どういう、ことなのか。
ミクとカンノ、マコトがいたとして、どうしてマコトの眼鏡がここにあるのだろう。
二度目の鐘は鳴っていないから、鬼は来ていないはずだ。と、すると、ゾンビにでも襲われて慌てた時に眼鏡を落としたのか。
しかし、あのカンノがいたのに?――いや、同時に来たわけではないのかもしれない。
どちらにしろ、眼鏡を落として拾う余裕もなく、この場を後にせざるを得なかったということだ。マコトはここで危険な目にあったのだろう。
……無事で、いてくれ。
そんな思いをこめながら、眼鏡を拾い上げて肩にかけたカバンに入れた。
――ミクとマコト、そしてカンノはこの学校にいたことがわかった。
今は、どこにいるのだろうか。
コロもやはり匂いを辿れないらしく、右往左往している。
どこを探せばいいものか――
悩み始めたとき、ギシリと瓦礫を踏みしめるような音が背後から聞こえた。