かくれんぼ、しよ?





光のない瞳、だらしなく開いたままの口――見覚えのある、その造形。


この顔は間違いなく……吉越ミユキ。



一体、誰がこんなことを――。


いくら見ても血や肉に慣れるわけもなく、嘔吐感は何度も襲ってくる。


おれは、吉越さん――だったものから、目を逸らした。



「う……」


ふと、小さく、唸り声が鼓膜を震わせた。


室内を見回すと、奥の方、赤に紛れた――マコトの姿を見つけた。



「マコト!大丈夫か!?」


手足を縄で縛られ、横向きに寝かされているマコトは、力なく項垂れている。


駆け寄ると、マコトはゆっくりと顔を上げた。



「ゆ、ユウイチ……?ここは……」


「あ、待て、見ない方が――!」


おれの制止も虚しく、マコトの瞳は、現実を映してしまった。



「な――」


声も、出ないのだろう。マコトは目を見開き、口を小さく開いて固まっている。




< 83 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop