かくれんぼ、しよ?
◇◇◇●●●、ユウイチ
――これは、この村だ。
おれは、誰かの視点から、ちゃんと太陽の陽に照らされている、昼間の夕霧村を見ていた。
人が歩いている。ゾンビなんかじゃない、生きている人間だ。
……ここは、この村が正常だった時代なのだろうか。
ふと、場面が変わった。
部屋の中だ。椅子に座っている。
机を挟んで向こう側に、初老の男性。
「あの病は……何か治す方法は見つからないかね?」
男性が、思いつめたように言った。
「――ええ、今のところ、手立ては何もありません」
続けて聞こえた、低い男の声。おそらく、この視点の主だろう。
「大人が死んでは、子どもたちも生きてはいけない……せっかく、出生率が少し前の倍近くまで上がったというのに」
「……お言葉ですが、それに関しては――この村は、子どもが増え過ぎではないでしょうか。このままでは、村の崩壊に繋がります。外に出るなりの対策を取らなければ――」
「黙れ!」
突然怒号を飛ばした男性が、机を拳で叩いた。
「我々は、古来より、自分たちの力で生きてきたんだ!よそ者のお前にはわからんだろうがな!」
「……申し訳、ありません」
「お前はまず、あの病を治すことを考えていればいいんだ!余計なことを考えるんじゃない」
「わかっております……」
男性は、ふんぞり返って、部屋を出ていった。
……ムカつく奴だ。
あの病というのは、村が滅びた原因の流行病のことだろう。あのじいさんも、視界の主も、相当切羽詰まっているようだった。
視界の主が、拳をきつく握りしめる。
……あんな言い方をされたのだ――なんとなく、心境を察する。