かくれんぼ、しよ?
場面が変わると、本を読んでいた。
薄暗い明かりの中――何やら難しい専門用語が並ぶ、医学書のようなもの。
目前には、そんな本がいくつも積まれている。
……流行病を治そうとでもしているのだろうか?ケンジに、サツキを殺した罪の意識が芽生えたのかもしれない。
「ダメだ……もう何でもいい、やってみるか……」
呟きながら本を閉じると、くるりと体の方向を変えた。
……油断していた……おれの自由がきくならば悲鳴をあげていたところだ。
そこには、サツキの遺体が、木製の台の上に横たわっていたのだ。
それに、よく見ると――ここは、おれの意識がここに移る前にマコトといた、小屋の中だ。壁や床が赤くないから、わからなかった。
ケンジはゴム手袋をし、机の引き出しからメスを取り出すと、サツキの遺体の前に立った。
……おい、待て、やめろ。
服をはだけさせ、肌を露わにすると――左胸の辺りに、すぅっとメスを入れていく。
サツキの内臓が露出する……もうこれ以上、見ていられない……しかし、目を逸らすことはかなわない。
そんな光景が続いたあと、ケンジは、メスを置いた。
終わったのか……?頼むからもう、やめてくれ!
そう、願ったのもつかの間――
手に、いやな感覚。
サツキの心臓を取り出し、握りしめていた。
――なんで、こんなことを――理由はわからず、気持ちの悪い感覚だけが現実をつきつける。
……目眩がしそうだ。そう思うと、まるで本当に目眩がしたように、辺りの景色が変わった。