かくれんぼ、しよ?
――次に、目に飛び込んできたのは、こちらを見て驚愕する幼い子ども。
その理由を考える前に、鐘の音が聞こえたかと思うと、子どもの頭に、何かが強く当り――子どもは、衝撃に倒れた。
……なんだ、状況が理解できない。
ケンジの荒い息が聞こえる。
足元に目をやり、そこに見えたのは、頭から流血し倒れた子ども――他には、ケンジの手に握られた棍棒、自らの纏う白衣の裾。
――見覚えのあるそれに、目を疑った。
……思えば、どうして今まで気付かなかったのか。
低い声、医者、ミヅキ、父親――こんなにヒントが揃っているじゃないか。
おれが今見ている視点は、間違いなく、カンノのものだ。
カンノはかつてこの村で恋人を殺し、その妹のミヅキを引き取り、流行病の治療法を見つけ、そして、他にも子どもを殺していた――そういうことか。
考えているうちに再び場面は変わり、殺された人がサツキのように木製の台の上に寝かされている。
そしてやはり――サツキにしたように、体にメスを入れて、心臓を取り出した。
「おとうさん……」
その声に扉の方を向くと、ミヅキが恐る恐る、といった感じで室内を覗いていた。
「ミヅキ……家にいろと言っただろ」
そう言ったカンノの口調はぶっきらぼうだが、やけに優しい声だ。ミヅキのことは大切に思っているのだろうか。