かくれんぼ、しよ?
「おい、どういうことだ!」
あのムカつくじいさんが、部屋に怒鳴り込んできた。
「どうしました?」
すると、じいさんに胸ぐらを掴まれた。乱暴なのは言葉だけじゃないのか、こいつ。
「どうしたも何も、近頃行方不明者が減ったと思えば、また流行病で人が死にだした!薬が見つかったんじゃなかったのか!?」
「……ええ、そうですね。あの薬、最近入手が困難になってしまいまして……」
「だからといって、これ以上村人を死なせないようにしろ!わかったな!?」
じいさんは散々まくしたてた後、手を離し、ドカドカとうるさい足音を立てながら部屋を出ていった。
……やっぱり、伝承のせいで、カンノは人殺しをやめたのか。いや、そもそも夜になると外に人がいなくなってしまうから、できないのか。
「……もう、限界だな」
そう呟くと、カンノは部屋を出て廊下を歩き、扉の前で立ち止まった。
「ミヅキ、入るぞ」
ミヅキの部屋なのか。ノックをして、扉を開ける。
「あ、おとうさん、どうしたの?」
ミヅキは布団の上で、起き上がりながら言った。
「なんだ、寝てたのか?悪いな、起こして」
「うん、なんかからだがだるくて……それより、どうしたの?」
ミヅキは眠そうに、目をこすっている。
「実はな……明日にでも、この村を、出ようと思う。もうダメだ、この村は。このまま居続けても、おれたちもいつか流行病に――」
カンノの言葉の最中――
「ごほっ、あ、ごめん、なさい……ごほ、ごほっ」
ミヅキが咳き込み始めた。