かくれんぼ、しよ?
「大丈夫か?」
カンノがミヅキの背中をさするが、咳が止まる様子はない。
そのまま、少し経って、ようやく咳が止まった。
「ごめんなさい……」
そう言って、ミヅキが口元から手を離すと――そこには、血が。
口元にも、手のひらにも、少量とはいえない血が付着している。
「え……おとうさん、これ……」
「これは……」
もしかして、流行病の症状だろうか。こんなタイミングで、ミヅキは病にかかってしまっていたのか……。
短い沈黙の後、カンノは、ミヅキを抱きしめた。
「……さっきの話は無しだ。絶対に、治してやるから……安心しろ」
腕の中で、ミヅキが頷く感触。
そして、場面は変わった。
もうすぐで太陽が見えなくなってしまうであろう空の下、棍棒を握って身を潜めていた。
視線の先には――ひとり、ボール遊びをする子どもの姿。
これから起こるであろうことが予想できる……できることならば、見たくない。
おれの意思など伝わるわけもなく、カンノはゆっくりと、子どもとの距離を詰めていく。
そして――鐘の音が響き、振り上げた棍棒を、子どもの頭めがけて勢いよく振り下ろす――はずだった。